植田正治 UEDA SHOJI 作品集

Shoji Ueda (2016)

植田ワールドの全体像がいま明らかに
植田正治の決定版作品集がついに刊行

植田正治(うえだ・しょうじ)
1913年、鳥取県西伯郡境町(現・境港市)に生まれる。中学時代に写真に興味を持ち、カメラを入手。32年、写真を本格的に学ぶために上京し写真学校に通う。帰郷後、写真館を開業するかたわら『アサヒカメラ』『写真サロン』等の月例コンテストで入選を重ね、モダンな造形表現で注目される。一貫して故郷の山陰地方で撮影を続け、特に鳥取砂丘を舞台に家族らをモデルにした演出写真は、独自の世界を生み出している。おもなシリーズに「童暦」「小さい伝記」「音のない記憶」「風景の光景」「白い風」「砂丘モード」などがある。また、その写真の独特な諧調は「植田調」と呼ばれ、国際的にも高い評価を得ている。1989年、日本写真協会功労賞受賞。1993年、東京にて大規模な個展を開催。1995年植田正治写真美術館開館。1996年、フランスから芸術文化勲章を受章。2000年没。2013年には、生誕100年を記念して植田正治写真美術館、東京ステーションギャラリー、東京都写真美術館などで大規模な展覧会が開催された。


愛の人生を正面から写している。植田正治の写真は正実だ。
荒木経惟

ありそうでなかった全作品を網羅する写真集!
山陰の風土に根ざしながら、国際的な評価も高い植田正治の
写真家としての軌跡がありありと浮かび上がってくる。
あらためて、その凄みと魅力を味わい尽くしてほしい。
飯沢耕太郎(写真評論家)

好きな人と一緒にいるときに胸に満ちる、
その安心と静けさとじんわりした嬉しさが、植田正治の写真にはある。
畠山直哉

存命中に発表された初出をベースに構成されたこの写真集は、
植田ワールドがどのように日本の戦後写真史に刻まれたかを
等身大に伝えるものである。
既発表でありながら、見知らぬ写真がたくさん収められた本書では、
新しい植田正治が発見できるだろう。
金子隆一(写真史家)


◎初期作品、家族や少女の演出写真、シリーズ<童暦>、<小さい伝記>、<風景の光景>、<音のない記憶>など、主要な作品群から200点以上を精選
◎雑誌・単行本等の初出資料をもとに作品を選定し、年代順に配列
◎単行本未収録作品も多数掲載
◎大判でじっくり写真を楽しめる造本
◎巻末には、監修者による精緻な解説と年譜を収める
◎栞エッセイ=池澤夏樹、鷲田清一


著:植田正治
監修:飯沢耕太郎、金子隆一
体裁:A4変型・上製・272ページ

定価:本体16,000円(税別)

造本・デザイン:文京図案室
協力:伯耆町/植田正治写真美術館/植田正治事務所
編集協力:コンタクト

発売:河出書房新社
河出書房新社HP

写真上から:パパとママとコドモたち 1949年
シリーズ<小さい伝記>より 1974年-85年
シリーズ<白い風>より 1980年-81年
写真下左:シリーズ<童暦>より 1959-70年
写真下右:シリーズ<松江>より 1964-68年
↓