企画展「映画監督・佐藤真の新潟―反転するドキュメンタリ」
において牛腸茂雄の作品が展示

Exhibition of Works by Gocho Shigeo at Niigata Sakyukan

 


佐藤真と牛腸茂雄

日本のドキュメンタリー史において、独自の足跡を残した映画監督・佐藤真の生誕60年、没後10年、さらに代表作『阿賀に生きる』完成25周年を記念して、2017年9月15日(金)から10月15日(日)まで新潟市の文化・芸術施設砂丘館にて「映画監督・佐藤真の新潟―反転するドキュメンタリ―」が開催されます。『阿賀に生きる』が生まれた土地でもある“新潟”に、なぜ佐藤真は惹きつけられたのか?という問いを出発点に、彼が遺した作品と今ある人々の言葉を通じて佐藤真と彼の創作活動を振り返る展覧会です。

『阿賀に生きる』の関連資料や佐藤真の著書や、エッセイ集『映画が始まるところ』(2002年、凱風社)の中で佐藤が取り上げた日本の芸術写真運動の一翼を担った石塚三郎氏(1877年 – 2007年)による写真作品が展示されるほか、2000年に製作されたドキュメンタリー映画『SELF AND OTHERS』のテーマである写真家・牛腸茂雄の同名シリーズから、昨年秋、フジフイルム スクエア写真歴史博物館で開催された弊社企画展覧会「牛腸茂雄という写真家がいた」で展示された約20点もご覧いただけます。

牛腸茂雄は、1946年、新潟県に生まれ、3歳で胸椎カリエスを患い、長期間にわたって下半身をギプスで固定される生活を余儀なくされたことから成長が止まり、生涯、身体的ハンディとともに生きていくことになりました。デザイナーを志し桑沢デザイン研究所に進学した彼は、そこで出会った写真家・大辻清司の熱心な説得により、本格的に写真の道を歩むようになり、コンポラ写真の代表的なアーティストの一人となりました。何気ない日常で出会った子どもたち、家族、友人…静逸で淡々とした牛腸の作品の奥からこちらを見つめる被写体のまなざしは、写真を通して「自分と世界との関わり」を探求し続けた牛腸茂雄のポートレイトでもあります。その身体的ハンディゆえに「見ること」と「見られること」、「自己」と「他者」との関係性を意識することを強いられていた牛腸が世界を見るまなざしには、常に初めて世界をみたような初々しさと深い洞察が共存しています。

佐藤真が牛腸茂雄を知るきっかけとなったのは、美術評論家でもあり現・砂丘館館長の大倉宏氏による、画家・佐藤清と牛腸を『阿賀に生きる』とともに論じた1993年の批評文でした。佐藤真が牛腸に寄せる関心は、その後、次第に高まり、ドキュメンタリー映画『SELF AND OTHERS』に結実します。牛腸没後の2000年に製作されたこの映画は、牛腸を知る人のインタビューなどを一切排除し、牛腸茂雄の写真と撮影地をたどり、残された草稿、手紙、肉声などとのコラージュによって構成した革新的ドキュメンタリーとして、高い評価を得ています。

本展開催期間中、様々な上映会、イベントが開催予定であり、『SELF AND OTHERS』も上映される予定です。上映スケジュールは砂丘館の下記HPをご参照下さい。

企画展「映画監督・佐藤真の新潟―反転するドキュメンタリ―」

*砂丘館作成のHP上文章の一部を転載させていただきました。


映画監督・佐藤真の新潟―反転するドキュメンタリ―

会 場 :砂丘館
     〒951-8104新潟市中央区西大畑町5218-1
     TEL:025-222-2676
     URL:http://www.sakyukan.jp/
会 期 :2017年9月15日(金)~10月15日(日)
     ※休館日:毎週月曜日、9/19(火)、9/26(火)、10/10(火)
開館時間:09:00~21:00
入場料 :無料
主 催 :砂丘館
協 力 :新潟と会