2020

井津由美子写真集
『Saul Leiter: In Stillness』

2020年5月11日発売

「この写真集に収録された魅力的な作品の数々は芸術と謎に包まれたある人生の物語を、様々な形で描き出している。」

― マーギット・アーブ(ソール・ライター財団ディレクター)

Saul Lieter: In Stillness』より


キッチンを改装した暗室、2013年

本年、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催され大きな反響を呼びながら、コロナウィルス感染拡大防止のため、会期途中での開催中止を余儀なくされた「永遠のソール・ライター」展。本展で大きな注目を浴びたプロジェクションで、ソール・ライターの残したカラースライドとともに投影された、彼が住んでいたアパートメントの風景や、彼が愛した調度品等の写真を撮影したのが井津由美子です。この度、リブロアルテから刊行されることになった『Saul Leiter: In Stillness』は、井津由美子がソール・ライターのアトリエ兼アパートメントを撮り続けてきたシリーズの集大成となる写真集です。

1980 年代に商業写真から身を引いてから、2006 年にドイツのシュタイデル社が出版した写真集『Early Color』で、「カラー写真のパイオニア」として、一躍「時の人」となるまで、ソール・ライターは富にも名誉にも関心を持つことなく、自分の世界を生き続けた写真家でした。80歳にして世界中の注目を浴びることになってからも、2013 年にこの世を去るまで自分の生活を変えることなく、最も愛する場所であるニューヨーク・イーストヴィレッジのアパートメント兼アトリエで淡々と日常を送りました。

生前からソール・ライターと親交のあった井津由美子が、この場所の撮影をはじめたのは、彼が亡くなった3 週間後のことでした。以降、断続的に2019 年までこのプロジェクトの撮影は続けられます。ソール・ライターへの敬意と、写真家としての冷静な眼差しによって生み出された数々の写真には、通俗的な富や名声より、自分にとって幸せとは何か、を真摯に問い続けたソールの魂に通じる美が映し出されています。本写真集『Saul Leiter: In Stillness』は、ソール・ライターの気配が立ち上るような濃密な空間の中で、「急がない人生」の多くの物語を浮彫にします。

ソールと猫のコンタクトシート、2018年


井津由美子(いづ・ゆみこ)プロフィール

1968年大阪府生まれ。ニューヨーク在住。1998年アメリカ、カリフォルニア州のブルックス大学写真学科を卒業後、ニューヨークで広告写真家としてキャリアをスタート。

2003年より8×10インチと11×14インチの大型カメラでプラチナ・パラディウムプリント技法による〈Secret Garden〉(シークレット・ガーデン)(2011年)シリーズを制作開始。2016年、〈Secret Garden〉と〈Faraway(闇の彼方へ)〉(2014年)を収録した写真集『Resonance』をSerindia Contemporaryより出版。

2017年から2018年にかけて、微細な鳥の巣と羽根の抽象的イメージで成り立つ〈Icarus(イカロス)〉(2017年)シリーズを東京、台北、バンコク、サンタフェ、パリのギャラリーで発表。

2020年1月に東京のBunkamuraザ・ミュージアムで開催された「永遠のソール・ライター」展において上映されたプロジェクションに作品を提供。『Saul Leiter: In Stillness』を東京・京都で発表予定。

ソールの椅子に掛けられたスカーフと帽子、2018年

2007年にニューヨーク州ウッドストックのセンター・フォー・フォトグラフィー奨学金受賞。サミュエル・ドースキー美術館に作品が収蔵されている。


写真集概要

写真集名:『Saul Leiter : In Stillness』
著者名 :
井津由美子
出版社 :
リブロアルテ 

     〒157−0068 東京都世田谷区宇奈根1-33-12 2F
     www.libroarte.jp

テキスト:ポリーヌ・ヴェルマール(マグナム・フォト(ニューヨーク)、
     マーギット・アーブ(ソール・ライター財団)
ブックデザイン:おおうちおさむ(ナノナノグラフィックス)
企画協力:佐藤正子(コンタクト)
判 型 :A4変形 上製本
ページ数:120 ページ
発売日 :2020 年5 月11日


アパートメントの窓辺、2018年

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「永遠のソール・ライター」展公式図録&
トートバッグセットの販売開始

@NADiff online

新型コロナウイルス感染拡大によって、全国の美術館・博物館の多くが臨時休館を余儀なくされ、私たちが芸術文化に触れる機会が失われています。弊社企画の「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」も、Bunkamuraザ・ミュージアムでは会期終了前中止となり、美術館「えき」KYOTOでは全面中止となりました。

そんな状況を少しでも好転できるよう、様々なオンライン・ストアーは、新型コロナウィルス感染拡大のため中止や休館を余儀なくされた展覧会の図録やグッズを、最近取り扱ってくださるようになりました。

NADiffのオンライン・ストアーもその一つ。NADiffのオンライン・ストアーでは、「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」の公式図録のみならず、展覧会場で販売されていたオリジナル・トートバッグと、図録とトートバッグのお得なセットをもご購入いただけます。

図録とトートバッグのお得なセットは、オリジナル・トートバッグが300円(税抜)も安くお求めいただけます!

トート・バッグにはイラストレーターRitsuko Hiraiによる、ソール・ライターとその飼い猫のレモンちゃんの可愛いイラストが描かれています。ねこ(カラー:ナチュラル)と、ソール&ねこ(カラー:ブラック)の2種類です。ご購入は、下記ページをご覧ください。

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ソール・ライター展の図録 &
グッズのオンライン販売開始!

@OIL by 美術手帖

「#STAYHOME」でもソール・ライターの世界が楽しめます!

新型コロナウイルス感染拡大によって、全国の美術館・博物館の多くが臨時休館を余儀なくされ、私たちが芸術文化に触れる機会が失われています。弊社企画の「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」展も、Bunkamuraザ・ミュージアムでは会期終了前中止となり、美術館「えき」KYOTOでは全面中止となりました。

美術手帖は、そんな状況を少しでも好転できるよう、webサイト「OIL by 美術手帖」で、新型コロナウィルス感染拡大のため中止や休館を余儀なくされた展覧会の図録やグッズが購入できるページを、急遽立ち上げて下さいました!

「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」の図録や展覧会場で販売されていたグッズも、下記ページにてご購入いただけます。

「#Stayhome」しながらぜひ、ソール・ライターの世界をご堪能ください。

 

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『an・an』創刊 50 周年記念展
生きて、愛して、歌って。

創刊から ‘70 年代の『an・an』をプレイバック

※トップ画像:『an・an』創刊号表紙(1970年3月3日発売号)©マガジンハウス


【※中止のおしらせ】本展覧会は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になりました。突然の発表となり、楽しみにしていただいていた皆様、大変申し訳ございません


4号のみ実験的に発刊された『平凡パンチ・女性版』を原型とし、 1970 年 3 月にフランスの女性ファッション雑誌『ELLE』と提携、まったく新しい形のファッション誌『an・an ELLE JAPON』として誕生した『an・an』。
型紙のついた実用服飾誌がファッション雑誌 だった当時、 「布をみにまとうことだけがおしゃれではありません。リズムをとること、踊ること、話すこと、どんなものをどんな風に食べるかということ、住むこと、旅すること、みんなファッションです。」(創刊第 7 号巻頭ページより) と、 真のファッション とは何かを高らかに宣言した『an・an』の登場は、まさに、出版界のみならず日本の若者カルチャーにとって黒船の到来、といえるものでした。
表紙には、それまでの雑誌には見られなかったタイプのモデルを多く起用し、当時としては難しかった海外ロケを敢行、様々な分野の若い才能が起用されて創り出 された生き生きとした誌面は、次第に新しい文化の発信源として若者たちに認知されるようになり、その後のクリエイティブな世界に大きな影響を与えました。本展では 50 周年の歴史の中で、特に創刊から約 10 年の草創期に 『anan』で活躍した様々な分野のクリエイターたちに焦点を当て、時代の変遷に寄り添いながら、現在も新しい読者を魅了し続ける『an・an』の魅力をご紹介いたします。


展示内容

1)夜明け前:プロローグ
まったく新しいファッション誌『an・an』誕生までには、 1959 年に創刊された 『週刊平凡』 誌ではじまった ファッション・ページの連載、『an・an』のパイロット版ともいえる『 平凡パンチ女性版 』 など、多くの試みが背景にありました。『an・an』草創期に大きな役割を担った堀内誠一のアートディレクションの下 、後に同誌を舞台に活躍 した 多くのクリエーターたちも、すでに共同作業を開始しています。
本コーナーでは、当時の日本における服飾誌、ファッション誌の状況を紹介しながら、『an・an』創刊までの歩みを紹介します。

『an・an』 No.22 1971 年 2月5日号

2)『an・an 』誕生!
『an・an』初期の全面的なアートディレクションを担当した堀内誠一の手によるタイトル、大橋歩のイラストによるパンダのロゴとともに、1970 年3月4日、『an・an』は産声をあげました。立木義浩撮影 による 写真が表紙を飾った創刊号には、提携誌『ELLE』の編集長やフランス大使の祝辞が寄せられ、グラビアではパリ行きのエール・フランス機内に乗り込むモデルの様子が紹介されるなど、まだまだ一般の日本人にとって遠い地であった海外への憧れを喚起するとともに、澁澤龍彦、三島由紀夫などの文化人の寄稿も掲載された、それまでにはない画期的な雑誌である ことを印象づけました。

3)『an・an』草創期
同じ年に開催された大阪での万国博覧会に象徴される高度経済成長の波にのって、『an・an』は自由に満ちた大胆な想像力に満ちたファッション・ページを展開するとともに、新しい旅の形を提案し、女性たちが外へ目を開くことに大きな影響を与えました。
また、デザイナー、モデル、カメラマン、イラストレーターらの名前を積極的に誌面でフィーチャーし、それまでにはなかったスタイリストといった職業を生み出した『an・an』は、日本において初めてクリエーターたちに市民権を与える場にもなっていきます。本展では、同誌がキャリアの礎となった飯野和好、スズキ・コージらの貴重なイラスト原画を紹介するとともに、『an・an』創刊時から同誌に参加し、日本で初めて スタイリスト という職業を確立した原由美子氏によって精選された同誌草創期のファッション・ページ数十点をプロジェクション で投影し、『an・an』が創り上げた世界観にせまります。

『anan』No.33 1971年7月20日号 Photo : Hiroshi Yoda / Stylist : Jillie Murphy / Hair and Make-up : John Frieda at Leonard / Model : Britt Magnusson and Stan Ribton

『an・an 』よ永遠に!
50 年前の創刊から昭和、平成、令和3つの時代をまたいで、常に時代を映し、 女性たちに新しい生き方 を提示してきた『an・an』。創刊50周年を記念して、『an・an』の現在とこれからを紹介します。


展覧会概要
会 場 :美術館「えき」KYOTO
     〒600-8555 京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
     ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
     TEL:075-352-1111(大代表)
     URL: http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2004.html
会 期 :2020年3月7日(土)〜 4月5日(日)
開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
入館料 :中学生以上500円(税込)
     ※「障害者手帳」をご提示のご本人様と同伴1名様は300円(税込)となります
主 催 :美術館「えき」KYOTO、京都新聞
特別協力:株式会社マガジンハウス
協 力 :
堀内事務所
企画協力:コンタクト

『an・an』 No.22 1971 年 2月5日号


※関連イベント中止のお知らせ (2020.02.28 更新)
「an・an創刊50周年記念展 生きて、愛して、歌って。創刊から’70年代の『anan』をプレイバック」の関連イベントとして開催予定の「ナイト★ミュージアム&スペシャルトーク」は、新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、お客さまと従業員の健康・安全性を最優先し、イベントの開催を中止とさせていただきます。

開催中止となる関連イベント
① 3月15日(日)ナイト★ミュージアム&スペシャルトーク
ゲスト:原由美子氏(ファッションディレクター)
② 3月20日(金・祝)ナイト★ミュージアム&スペシャルトーク
ゲスト:立木義浩氏(写真家)

チケットをご購入いただいたお客さまには、払い戻しの対応をさせていただきます。払い戻しについては、ローソンチケット取扱い店舗で行います。対象のチケットをお持ちのうえ、払い戻し期間内にお手続きください。
【払い戻し期間】2020年3月2日(月)午前10時 ~ 3月31日(火)午後11時59分まで

ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようお願い申しあげます。

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永遠のソール・ライター

Forever Saul Leiter (2020)

忘れられたかった写真家がのこした忘れられない作品たち


1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら、1980年代に商業写真から退き、表舞台から姿を消したソール・ライターが一気に忘却の世界から引きずり出されるきっかけは、2006年ドイツの出版社シュタイデル社から刊行された写真集『Early Color』。当時すでに83歳になっていた彼の作品は、世界の写真界に衝撃を与え、これを皮切りに世界各地で展覧会の開催や作品集の出版が行われ、さらにはドキュメンタリー映画が公開。初めてソール・ライターを知る人々にもこの写真家の素晴らしさが理解される機会となりました。

天性の色彩感覚によって「カラー写真のパイオニア」と呼ばれたソール・ライター。約8万点のカラー写真をはじめ、作品の大半を整理することなく世を去った写真の「発掘作業」は、ソール・ライター財団により現在進行形で続けられています。この図録では、2017年の展覧会では発掘しきれなかった膨大なアーカイブの中から、世界初公開となる作品を含む多くの未公開作品と豊富な作品資料を通して、ソール・ライターのさらに知られざる一面を紐解き、その魅力に迫ります。


著:ソール・ライター
体裁:A5・312ページ
ISBN:978-4096823255
定価:2,500円(税別)
寄稿:大竹昭子、ソール・ライター財団

企画:佐藤正子(コンタクト)
ブックデザイン:おおうちおさむ(ナノナノグラフィックス)、
有村菜月(ナノナノグラフィックス)

校正:オフィス・タカエ
編集協力:コンタクト(ヴューラー・シュテファン、小川桂以子、日向野絵美)、
山崎明子

制作:松田雄一郎
資材:坂野弘明
宣伝:一坪泰博
販売:根来大策
編集:磯貝晴子(青幻舎)

製本所:
若林製本工場
印刷所:凸版印刷株式会社

発行所:小学館
小学館HP


 

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