ロベール・ドアノーと時代の肖像

― 喜びは永遠に残る 2016年

日常の小さなドラマを絶妙にとらえ、「イメージの釣り人」と評されるフランスの国民的写真家ロベール・ドアノー(1912-1994)。パリの恋人たちや子どもたちの豊かな表情、ユーモアや風刺の効いた街頭の一場面など、人間に対する無限の愛情と好奇心に満ちたドアノーがとらえた写真は、時代を超えて世界中で愛され続けている。写真家ロベール・ドアノーを語る上で欠かせない分野、それが「ポートレイト」。鋭い洞察力と観察眼に裏打ちされたドアノーによる芸術家のポートレイト群は、ドアノー自身の「見る喜び」を見事に体現したものでもある。
本図録では、同時代を代表する人々を写したポートレイトを中心に、精選されたドアノーの代表作など、日本未公開作品を含む約140点を一堂に紹介。ロベール・ドアノーの眼差しを通して提示される同時代人たちの肖像は、写真の本質でもある「見る喜び」とともに改めて創造の喜びを私たちに伝えてくれるに違いない。


第一章:ドアノーが手がけた「時代の肖像」
第一章は、画家、彫刻家はもとより、パリが「芸術の都」であった時代に活躍した作家、思想家、舞踊家、美術批評家、デザイナーなどあらゆる分野の「時代の肖像」約70点からなる。日本未公開作品を含むこれらのポートレイトを通して、当時の文化的背景を探ると同時に、ドアノーによる写真表現の真髄を紹介。

第二章:ドアノー写真を代表する名作たち
生涯を通じて約45万点にも及ぶ写真を撮影したドアノーの作品は、現在、遺族が設立したアトリエ・ロベール・ドアノーで管理されている。本章は、アトリエ・ロベール・ドアノーが膨大な作品から精選した代表作30点で構成されている。写真史にドアノーの名を刻ませた珠玉の名作から、ポートレイトの名手ドアノーの制作背景に迫る。

第三章:もう一つのポートレイト、ジオノへのオマージュ
パリ郊外で生まれ育ち灰色の青春時代を送ったドアノーにとって、小説家ジャン・ジオノがプロヴァンスの自然の中で描き出す人間たちのドラマは常に憧憬の対象だった。1958年に撮影された一人の羊飼いを追ったルポルタージュ『ある羊飼いの物語』は、ジオノへのオマージュともいえる作品である。生前、ジオノとの邂逅がついにかなわなかったドアノーにとって、この羊飼いの物語はジオノのポートレイトであるともいえるかもしれない。本章では、二人の若い作家たちの人生と制作に多大な示唆を与えたジオノの肖像として紹介。


著:ローベル・ドアノー
体裁:ソフトカバー・95ページ
定価:
2,484円(税込)

寄稿:山田裕理(IZU PHOTO MUSEUM)、松岡佳世(ベルナール・ビュフェ美術館)

編集:
ベルナール・ビュフェ美術館

編集協力:佐藤正子(コンタクト)
デザイン:遠藤一成
企画協力:コンタクト
協力:アトリエ・ロベール・ドアノー

印刷・製本:株式会社サンエムカラー
発行:ベルナール・ビュフェ美術館

関連リンク:ロベール・ドアノーと時代の肖像展


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